ブルーシート張り講習会に参加しました

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こんにちは。谷口です。

先日、千葉県委託事業者 特定非営利活動法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)主催の「ブルーシート張り講習会」に参加してきました。
昨年の台風15号及び19号により屋根に被害を受けながらも、当面の応急措置としてブルーシート張りで対応している方が多くいらっしゃいます。
展張りしたブルーシートは数か月で張替えが必要になることもありますが、屋根の上での作業は危険が伴い、ブルーシート張りに関するノウハウがないことから作業従事者が不足しています。
今回の講習会は、その状況を受けて実施されました。

ブルーシート張りの目的

台風等で屋根の被害を受けても、地上からでは被害状況が分からずに不安な気持ちでいる住民の方が多いです。
専門知識のない住民の方や業者が張ったブルーシートは1ヶ月ほどで不具合が生じやすいのですが、工事業者が入るまでの間、耐えられるブルーシートの張り方でなくてはなりません。
あくまで「応急処置」ではありますが、住民の方の気持ちを少しでも楽にし、工事までの間 生活を守る為に行います。

講習会の内容

材料選び

・ブルーシート(厚手#3000番以上をおすすめ)
・防水テープ (エース黒須011をおすすめ)
・マイカ線(ビニールハウスロープ)
・野地板(胴縁)
・ネジ(32~38mm)
・ワッシャー
・2連ハシゴ
・脚立
・ヘルメット
・ハーネス
・手袋
・すべりにくい靴
・インパクトドライバー
・スケール
など

今までにあった事故例

・屋根の上からものを落とす対物事故
・古い屋根の下地を歩いて転落事故
・ハシゴから移る時にバランスを崩す転落事故
・脚立のバランスが崩れて落ちる事故
・雨の日の滑落事故
・瓦の上の土、苔を踏み滑る事故
・親綱を掛ける際の事故
・蜂に刺された事故
・長物を人にぶつける事故
・割れた瓦などによる切り傷

安全確保について

事故を起こさないために、「勇敢」は不要です。
安全の為に、施工前に以下を確認し、順守する必要があります。

・屋根の上では必ず2名以上で作業を行う
・落下防止のため、必ず命綱を張り、ハーネスまたは安全帯を着用する
・瓦の上に土や割れた破片が残っている場合は取り除く(屋根の上での危険を減らす)
・雨天、強風時の作業は大変危険
・ヘルメットを必ず着用する
・物を屋根に上げる時はロープなどを使用する
・ハシゴの上り下りは、物を持たずに両手を使用する
・屋根では、できるだけ瓦と瓦の重なる部分を歩く(瓦の盛り上がっている部分を踏むと、中が空洞のため割れやすい)
・長期に渡って濡れている屋根は腐っている場合もあり、瓦のない部分は踏み抜く事があるので注意する
・屋根の上では物が落ちやすく危険なので、必ず固定する

ロープの結び方

・ダブルエイトノット
 簡単で間違えにくく、強度が高い結び方。

・巻き結び
 ロープを芯に縛り付ける結び方。

・プルージック
 巻きつけ部を持てば簡単にスライドでき、結び目側の末端にテンションをかければしっかり止まる。墜落防止の備えで使われることが多いため、登山家や消防士の間でよく使われる結び方。

・簡単トラック結び
 誰でも簡単に結べてほどくことができる「怪物結び」と言われる結び方。
 

ブルーシートの張り方

1)今までの屋根の応急処置

土嚢袋とブルーシートを使った方法がほとんどでした。
また、土嚢について正しい知識がないと、短期間で土嚢がダメになる事もありました。

【土嚢の中身について】
・瓦やがれきを入れると袋が破れて地上に落下する危険がある
・UV土嚢袋を使わなかった場合、2ヶ月くらいで劣化し中身が飛び出る
・土を使った場合、UV土嚢袋でも植物などが生えてくる可能性が高い
☆土嚢の中身は、砂またはバラスがおすすめ!

【正しい土嚢の置き方】
・土嚢は棟をまたいで均等の距離でおく
・土嚢でおさえる場合、幅はだいたい1mピッチくらい
・必ずマイカ線(ビニールハウスロープ)で屋根から落下しないように結ぶ

【短期間での張替えの原因】
・押さえや固定が不十分、紐やロープが切れる事による剥がれ
・劣化(主に紫外線)、擦れによる破れ
・材料の強度不足、張り方の問題による雨漏り

2)今までに考え出されたやり方

土嚢袋とブルーシートだけではなく、野地板を使用したり、土嚢を使わない方法も考え出されました。

■土嚢を使う方法

・自衛隊方式
防水テープを使い、ブルーシートの隙間を埋めて、土嚢でバタつきを抑える。

・熊本方式
野地板をブルーシート端部に巻き付け、土嚢で抑える。点でなく、辺で抑える事ができる。
 


■土嚢を使わない方法(煉瓦)

・ストッパー方式
瓦自体の重さを利用してブルーシートを固定する方法。
 

・ハシゴ型ストック方式
棟が完全に壊れている時に効果的な方法。
崩れた棟の部分にはしご型の箱を作り、割れている瓦やガレキ、土嚢等を入れてブルーシートで被う。

・アシスト瓦
段ボールを瓦と同じサイズに加工して#4000番のシートで覆った応急瓦

その他

・活動の下準備(野地板、土嚢など)
・グランドワーカー(屋根下で作業をささえる仕事)
・住民さんとの会話(情報収集、不安を取り除く)
・部屋内の養生(雨漏り部など)

感想

今回の講習会は、ほとんどが消防署員の方でした。
私のような業者も数名いましたが、昨年の台風のような被害があった場合は、少しでも多くの業者が正しいブルーシート張りを行えるようになっているべきだと感じます。
今回大黒建装では私一人しか参加ができませんでしたが、今後 従業員向けに社内で講習を行う予定です。
災害時、少しでも多くの皆様の大切なお住まいを守る事ができる会社になるようになりたいと思います。

参考:特定非営利活動法人 全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)作成 ブルーシート張り講習会資料

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